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2019年4月18日 (木)

『カゲロボ』

ブックレビュー ☆5つ

『カゲロボ』 木皿 泉

自分の話
回りの人たちは自分の知らない意思伝達手段(たとえばテレパシーのようなもの)を使っているんじゃないか。
自分だけが、異質な出来損ないの人間なんじゃないか。
学校・クラスや職場で、どこか馴染めないのは、そのせいなんじゃないか。

子供の頃、それからずっと成長してからも、そんな疑念というか妄想を抱くことがあった。
いかにも子供じみた発想だし、それなりに無難にやり過ごしてきたつもりだけど、なんとなく居心地の悪さを感じたりしていた。
まぁ、引っ込み思案で、あまりしゃべらない性格なため、群れたりつるんだりするのが苦手というのが一番の原因なんだけど。

これは、今いる場所に馴染めない、居心地悪さを感じている人たちの、9編の連作短編集。

社会には、誰にも気づかれないように、カゲロボと呼ばれる監視ロボットが紛れ込んでいる。
同級生として。動物として。植物として。

それは、人々を見張っているのか。

自分のことをすべて知っている人がいる。
見守ってくれている。そう思えるだけで人は救われるのかもしれない。

「人が惨めなやつだと思っても、私がそう思わないかぎり傷つかない。傷つくのは、自分自身が惨めだと思ったときだけ」

「自分を傷つけられるのは、自分だけよ」

読み終えたころには、明日からまた頑張ろう、と思えてくる。主人公たちと同じように。

もう大丈夫。

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『カゲロボ』 木皿 泉 著 新潮社

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