『キトラ・ボックス』
ブックレビュー ☆4つ
『キトラ・ボックス』 池澤 夏樹
奈良県天川村の神社に伝わるご神体(剣と鏡)と、キトラ古墳との関連、そしてキトラ古墳の被葬者を探るミステリー。
といっても、読者には早い段階で真相が明かされるので、どちらかといえばサスペンスの色合いが濃く物語が進行する。
調査のため主人公と行動を共にすることになるウィグル出身の女性と、彼女を追う北京からの使者。
『アトミック・ボックス』とのタイトルの類似は読む前から感じていたが、主だったキャラクターが共通するので、シリーズものということになるのかな。
前作のエピソードも少なからず引用されているので、『アトミック・ボックス』を読んでからこちらを読んだほうが良いと思う。
スリル感は前作のほうがあったが、著者ならではの国際感覚と博識さで、物語として楽しめた。
が、エンディングの真面目さもいかにも池澤さんという感じ。
なにも村上 春樹さんほどとは言わなけれど、もう少し色事があっても良い気がするんだけどな。
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