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2014年10月 6日 (月)

『家守綺譚』

ブックレビュー ☆4つ半

『家守綺譚』 梨木 香歩

20数年前、住んでいたアパートはすぐ裏に雑木林があった。
外階段踊り場には家守(ヤモリ)が棲んでいた。
夏になるとカブトムシも飛んできた。
玄関のドアの前に、手のひらを広げたくらいのヒキガエルが、「今帰ったよ」 とでも言いたげに、座っていたこともある。
わざわざ階段を上がってきていただいたのに(住んでいた部屋は2階だった)申し訳ないと思いながらも、そうそうにお引き取りいただいたが。
そんなことを思い出した。

本書は、”やもり” ではなく ”いえもり”
ほんの100年ほど前、まだ電気もあてにできない頃のお話。
日々の暮らしは自然とともにあった。

物書きの綿貫が、亡くなった友人の父親から家の守をまかされた一軒家。
池のある和風の庭には、種々雑多な植物が芽吹いている。
四季折々、樹木や草花に触れ、風が吹き雨が降り川が流れる。
そして、当たり前のように不思議な出来事が次々起こる。
サルスベリに惚れられ、亡くなった友人が掛け軸から現れる。
庭の池には河童が訪れ、狸に化かされ、桜鬼(はなおに)が暇を乞いに来る。

綿貫はそんな出来事を、少しは驚きながらも飄々と受け入れる。
散歩で出会った小鬼に、
「これは珍しいものである。どのくらい珍しいかといって、私の生涯にまだ出会ったことがないほどだ。」
などと思いながら、一緒にふきのとうを摘んだりするのだ。

そんな奇妙な話を読むのは、案外と心地よい。

数年前、僕が住んでいたアパートの近くを通ったら、雑木林はすっかりなくなり、立派な家々が建ち並んでいたのを見て、ひどく寂しく感じた覚えがある。
でも、当時一緒に?棲んでいたヤモリ(の子孫)は今も元気にしている。
越してきた今の家で、夏になると毎年姿を現してくれる。

  

Photo
『家守綺譚』 梨木 香歩 著 新潮社

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