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2014年5月 6日 (火)

『アトミック・ボックス』

ブックレビュー ☆4つ半

『アトミック・ボックス』 池澤 夏樹

ポリティカル・サスペンスっていうのかな。
池澤さんがサスペンスって、ちょっと意外だったが、ハラハラドキドキ感を十分楽しめた。

福島の原発事故をきっかけに、30年前に自らが関わったプロジェクトを思い出し、それに手を貸したことを悔やみながら死んだ父と、その遺志を引き継いだ娘。
登場する誰もが、与えられた役割を実直にこなしていく姿は、清々しくも頼もしくもあり、また痛々しくも感じる。

核・原爆・原発・・・立場によって、時代によって、情勢によって、見解が異なるのは理解できるが、やっぱり人類が手を出してはいけないものだったと思う。

ある登場人物が、スリーマイル島原発事故を引き合いに出して言った、「自分が作るのが爆弾でよかったよ」の言葉が重い。
 

Photo
『アトミック・ボックス』 池澤 夏樹 著 毎日新聞社

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