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2013年5月17日 (金)

『仏果を得ず』

『仏果を得ず』 三浦 しをん

前にも一度、図書館の書架にあったのを手に取ったことがあるが、マンガチックなカバーイラストと意味がわからないタイトルをみて、読むだけ時間の無駄かな、なんて勝手に判断してそのまま棚に戻してしまったが、今僕の中では三浦 しをんさんブームなわけで、今回内容もよくわからないまま借りてきた。

読み始めて、これはどうやら"文楽” の世界の人々のことを書いているらしい、ということはわかったのだが、古典芸能にまったく疎い僕は、“文楽” といわれてもどんなものなのかさっぱりわからない。
読み進めて、改めて表紙のイラストを見て、どうやら “人形浄瑠璃” のことだとわかっても、やはりピンと来ない。
だって見たこと無いものはしょうがないじゃん(と開き直る)。
それが、読んでいくと、なんとなく様子がわかってくる。
"文楽” を実際に見てみたい・聴いてみたいと思えてくる。
そういう意味では、これは "文楽・人形浄瑠璃” の入門書・手引書になるんじゃないかな。
そんな文楽の世界で、日々研鑽に励む青年が主人公のお話。
師匠に怒られ、相方に突き放され、演じる役どころの心理がわからず悩み、はては恋に苦しみながら、義太夫として成長して行く。

それにしても、やっぱり三浦 しをんさんの小説の登場人物はみな魅力的だ。
ぐいぐいと文章に引き込まれてしまう。
馴染みのない、知らない世界の話だから物語に入り込めないかと言うと、そんなことはまったくない。
知らないことがわかってくるのが面白い。
そして随所に、"先の展開” や "登場人物の心理状態” や "まだ明かされない真実” を予想させるような、あるいは暗示するような表現(ヒント)がでてくる。
それを自分なりに推理したり想像したりするのが、また楽しい。
小題が文楽の演目になっていて、話しの流れが演目の内容になぞらえたりしているところも面白い。

「梅雨時の大阪は、町全体がなまぬるい水の中に沈む」 なんて表現も、いいなぁと思う。

とにかく、大好きな小説ってわけさ。

Photo
『仏果を得ず』 三浦 しをん 著 双葉社

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コメント

面白そうですね。

小説は自分の知らない世界を知れるいいきっかけになりますよね。
三浦ワールドであるということと、ジャネイロさんの文のお陰で僕も読んでみたくなりました。

読んでみたい本が沢山あるというのは幸せが列を連ねて待ってくれているようで幸せな気分になります^^

satさん・・・
面白いですよ、きっと楽しんでいただけるとおもいます。
『神去なあなあ・・・』も面白かったけれど、僕はこちらの方が好きです。

「幸せが列を連ねて・・・」 って本当にそうですね。
僕は今、図書館で予約している本が5冊あります。
すごく幸せな気分です^^


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